現在発売されている、住宅用蓄電システムの種類は多岐にわたります。
「屋内設置型」、「屋外設置型」の違いを始め、「壁掛型」や「地上設置型」等、様々なメーカーから多くの商品が販売されており、さらにパワーコンディショナと蓄電池が一体となった「一体型」から、分かれている「セパレート型」まで、形状だけでも様々な種類があります。
機能面の違い
住宅用蓄電システムの機能面においては、「スタンドアロン型」「単機能型」「ハイブリッド型」の3つの種類に分かれます。
その中でも、今回は太陽光発電と連携が可能な「単機能型」「ハイブリッド型」の違いをピックアップします。
単機能型 | ハイブリッド型 | |
---|---|---|
通常時の使い方 | 太陽光発電がなくても使える。
ただし、蓄電システム用とは別に、「太陽光発電用のパワーコンディショナ」が必要になるため、機器と工事のコストが高くなる。 |
太陽光発電がないと使えない。
太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナを兼ねているので機器と工事のコストが安く済み、かつ省スペース。 |
停電時の使い方 | 以前のものは太陽光発電のパワーコンディショナを自立運転に切り替える必要があった。
現在では自動で切り替わるものがほとんど。(ただし機種による) |
停電時は自動的に蓄電池から電気を放電するように切り替え。
太陽光発電からも自動で充電。 |
太陽光発電との連携 | 太陽光発電の自立運転と連携。パワコンを疑似連系状態にすることで、発電した電気を最大限に充電可能。
(ただし機種による) |
太陽光発電で発電した電気をロスなく最大限に充電できる。 |
コスト面 | 基礎や搬入に費用が掛かる。
また、太陽光発電のパワーコンディショナが故障した場合、それ単体での交換費用が発生する。 |
パワーコンディショナと蓄電池がセパレート型になっているものが多い。
基礎や搬入費用が抑えられる。 |
これからの太陽光発電システムは、コスト面、機器連携面において秀でた「ハイブリッド型」が選ばれることは間違いありません。
ただし、ハイブリッド型は接続不可の太陽電池パネルを接続してしまうと、PID現象(「電圧誘起(誘発)出力低下(劣化)」)が発生し、パネルが発電しなくなってしまうことがあります。
そのため、事前に接続できる太陽電池パネルかどうかを確認することが必要です。
停電時の使い方について
「単機能型」「ハイブリッド型」には、停電時の使い方にそれぞれ3つの方法があります。
【「単機能型」/「ハイブリッド型」蓄電池 3つの使い方と良い点悪い点】
コンセント型 | 特定負荷型 | 全負荷型 | |
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良い点 | 最低限の機器で設置が可能なので、コストが安い。 | 特定の場所・機器でしか電気が使えないが、電池容量が少なくても最低限の生活が可能。
電池容量が少ない分、コストが安い。 |
家全体の電気機器が使用できるため、停電時も普段と変わらない生活が可能。
しかし使用電力量の上限があるので注意が必要。 |
悪い点 | 停電時にコンセントの差替えが必要。 | 特定の場所でしか電気機器が使用できないため、普段通りの生活はできない。 | 家全体で電気が使えるが、電池容量の減りが早いため、ある程度の電池容量が必要になる。
電池容量が多い分、コストが高い。 |
普段の使い方は変わりませんが、停電時の使い方にはそれぞれ差があるため、太陽光発電・蓄電システムの容量をはじめ、「普段の光熱費」や「停電時にどのように使用したいか」など、各ご家庭に合ったシステムを選ぶことが重要です。
これからの住宅用蓄電システムはここが違う!
最新の太陽光発電システムは、蓄電システムと連動し、AI制御を行います。
電気の「買う」「売る」「蓄える」「放電する」のそれぞれの動きを、光熱費が最も安くなるよう、システムで制御してくれるのです。
また、台風などの気象警報発生時には、AIのはたらきにより、自動的にかつ事前に蓄電池を満充電にするといった対応をしてくれます。
ご自身で煩わしい作業をすることなく、「光熱費削減対策」と「災害への備え」の両方が可能になっているのです。
まずは、蓄電池の基本的な違いや種類などをご確認いただきました。
「じゃあ、実際にはどうやって自分の家にぴったりの蓄電池を選べば良いの?」と思われる方のために、次の記事では、「【メーカー紹介編】蓄電池の選び方」を、その次には「【容量別】蓄電池の選び方」の2つの視点から、蓄電池をご紹介していきます!