■更新履歴:
2025.04.15 一部内容更新
相続や家の売買の際には、太陽光発電の「名義変更」というものが必要になります。
名義変更の際に必要な手続きについてまとめましたので、参考にしてください。
※中国電力管内の場合の内容です。
ただし実際には、個人で名義変更の手続きを行うことは、手続きの煩雑さなどから難しい場合が多いです。
諸手続きでお困りの場合、まずは太陽光発電を設置された業者様か、該当物件・施設の管理会社様等へご相談いただくのがスムーズです。
また、手続きに関することは「JPEA代行申請センター(JP-AC)」へお問い合わせされるのがおすすめです。
目次
所有者が変更となる場合の手続きについて
◆手続きの流れ
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト「50kW未満太陽光の変更申請手続の方法」、JPEA代行申請センターウェブサイト
まず、最初に知っていただきたいことは、
【FITを使用して太陽光発電システムを設置した場合、経済産業省にシステムの所有者や設備の情報を申請、登録する必要がある】
ということです。
また、その後システム所有者や登録情報が変更となった場合には、名義変更の申請が必要になります。
名義変更が発生するものとしては、主に以下の2パターンがあり、それぞれで必要となる書類が異なります。
・相続
・譲渡
そして、名義変更が完了するまでには大きく分けて3つのステップが必要です。
1.設備IDの確認
2.「再生可能エネルギー電子申請ページ」へのログインIDとパスワードの確認
3.名義変更申請の手続き
※設備IDとは各発電設備に割り当てられる識別番号のことです。
順を追って説明していきます。
設備IDの確認
まずは「設備ID」の確認を行います。
手元に「電力受給契約のお知らせ」がある場合
太陽光発電の工事完了後、電力会社からお客様へ「電力受給契約のお知らせ」が送付されています。
そちらに記載されている設備IDをご確認ください。
太陽光発電の設置時期によっては、設備IDが書かれていないものがあります。
その場合は、次項をご参照いただき電力会社へお取り寄せください。
手元に「電力受給契約のお知らせ」がない場合
お客様から電力会社(ここでは「中国電力」を想定)に対して、設備IDを知りたい旨の連絡を入れていただきます。
※個人情報にあたるため、中国電力へお客様ご自身でお電話していただく必要があります。
電力会社から郵送で「電力受給契約のお知らせ」が送られてきますので、記載されている「設備ID」を確認します。
なお、設備IDは「電力受給契約のお知らせ」の他に、固定買取期間の10年が経過する頃に電力会社から送付される「買取期間満了のご案内」にも記載されています。
ここまでが1ステップ目です。
申請ページへのログインIDとパスワードの確認
設備IDを取得したら、申請ページにログインするためのIDとパスワードを確認してください。
ログイン用のIDは2種類あり、ひとつは「事業者用ID」、もうひとつは「登録者用ID」というものです。
1. 事業者用ID
設備を持っている方やFIT認定を受けた事業者が使用。マイページから閲覧、連絡先の変更、登録者変更、申請の承諾等を行うために必要。
基本的には太陽光発電を購入し、所有しているご本人が該当します。
2. 登録者用ID
FIT認定の申請手続きを行っている方が使用(代行業者や工務店など)。
新しい事業計画の申請や計画に変更が生じた際、手続きを行うために必要。
【事業者用IDの取得】
まずは事業者用IDでログインし、設備の登録者変更などを行いましょう。
ログインIDとパスワードが不明の場合は、電子申請ページにあるヘルプ「ログインID・パスワードを忘れた方」をご確認ください。
▼システム上にメールアドレスが登録してある場合
「2.ログインID・パスワードを忘れた方」のフォームから再発行ができます。
▼メールアドレスが不明等で再発行ができない場合
「3.上記で解決できなかった方」のフォームから手続きを行います。
下記必要書類をご準備のうえ、PDF等にデータ化してください。
こちらから動画でも手順の確認ができます。
なお、以下はそれぞれ委任を受けた第三者が申請を行う際に必要な書類です。
■[相続を受ける]場合
・ID、PW取得のための委任状 ※相続される方のご住所・お名前の記入と実印での押印が必要です。また、ご住所は印鑑登録証明書と同じ住所をご記入ください。
・印鑑登録証明書 ※相続される方のもの
・戸籍謄本 ※相続される方のもの
■[譲渡を受ける(家を購入した方が申請する)]場合
・ID、PW取得のための委任状 ※家を購入した方のご住所・お名前の記入と実印での押印が必要です。また、ご住所は印鑑登録証明書と同じ住所をご記入ください。
・印鑑登録証明書 ※家を購入した方のもの
・建物(土地)登記簿謄本
委任状は「3.上記で解決できなかった方」ページ内でダウンロードできます。
書類が準備できたら、問合せフォームからメールアドレスを登録してください。
[照会内容]で「事業者のID/パスワード」を選択し、設備IDを入力します。
受信メールに従って進み、上記書類をアップロードしてください。
書類が揃えば、当日または翌日には「ログインIDとパスワード」を取得することが可能です。
【登録者用IDの取得】
次に登録者用IDを取得しましょう。
登録者用IDをお持ちでない場合は新規取得が必要です。
⇒ ユーザ情報登録
これで作成した登録者用IDから名義変更申請ができるようになります。
取得後、再度事業者用IDでログインし、登録者変更で設備との紐づけ直しを行ってください。
ここまでが2ステップ目です。
名義変更申請の手続き
最後に名義変更の申請を行います。
FIT期間中かFIT終了後かによって申請時の書類が異なりますが、ここでは「FIT期間中の場合」を解説します。
まず必要となる書類は以下の通りです。
■[相続を受ける]場合
・変更のための委任状 ※相続される方のご住所・お名前の記入と実印での押印が必要です。
・除籍謄本 ※亡くなられた方のもの
・附表もしくは住民票の除票
・法定相続人全員の戸籍謄本、もしくは法務局が発行した法定相続情報
・印鑑登録証明書 ※相続人全員分
・遺産分割協議書、もしくは相続人全員の同意書 ※相続証明書
・建物(土地)登記簿謄本
■[譲渡を受ける]場合
・変更のための委任状 ※家を購入した方のご住所・お名前の記入と実印での押印が必要です。
・印鑑登録証明書 ※元々の所有者様および新たな所有者様両方
・住民票 ※元々の所有者様および新たな所有者様両方
・譲渡証明書
・建物(土地)登記簿謄本 ※名義が新たな所有者様となっているもの
※上記は10kW未満の場合。「A」で始まる設備ID(10kW以上)の場合は必要書類が異なります。
委任状、相続証明書、譲渡証明書は資源エネルギー庁のWEBサイトよりダウンロードできます。
上記が揃ったらPDFなどにデータ化し、「再生可能エネルギー電子申請ページ」へ登録者用IDでログインして、事業者名の変更を行います。
申請後、約2~3ヶ月程度で名義変更が完了となります。
電力会社への契約変更申請について
また並行して電力会社に契約変更の申請をする必要があります。
申請には以下の書類が必要で、電力会社に変更申込書を提出すれば、振込先口座が変更できます。
・電力受給契約に係る変更申込書(現名義人が申請印、新名義人が変更印を押印)
変更申込書は中国電力WEBサイトよりダウンロード可能です。
「(1)50kW未満での系統連系を希望される場合」>「契約内容を変更する場合」欄よりダウンロードしてください。
困ったときのお問い合わせ先
太陽光発電を設置した業者が既に倒産している等、相談先にお困りの場合は、「JPEA(ジェピア)代行申請センター(JP-AC)」へお問い合わせしてみるのがおすすめです。
- 受付時間:平日9:20~17:20(土日祝、センター所定休日を除く)
- 問い合わせ方法は電話のみ:0570-03-8210
なお、お住まいが山陰地方の方などは弊社でも代行申請が対応可能な場合がございます。
お困りの際はご相談ください。